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坂本サトルの音楽は、正面から向き合わなければ聴こえてこない。 「メロディアスなロックサウンド」と「色彩豊かな声」だけでは、彼の音楽は語れないから。 もちろん、それだけでも充分過ぎるほどの武器なのだけど。
最大の武器。それは、やはり「歌詞」なのだろう。 英語を意識的に排除した、分かり易い、けれども安っぽくない言葉たち。 切り取られた情景は、映画のように美しく浮かび上がって、感情を揺さぶる。
無邪気な恋、切ない恋、失った恋の痛み。 守るべき相手への温かな眼差し。 夢追う人のもどかしさ。不安。希望。
たくさんの想いが閉じ込められた歌詞は、 彼の力強い歌に乗って、聴く者の心に真っ直ぐに放たれる。 真っ直ぐだからこそ、斜に構えると届かない。 そして、届いた時には、深く深く心の奥に突き刺さる。